香水と音楽−映画『パフューム』その2 (2/3)
2009年6月16日火曜日 03:23

香水と音楽。
両方とも人間が作り出すもので、眼に見えない芸術品といって良いでしょう。
映画『パフューム』では、売れない調香師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)が、超人的な嗅覚をもつ主人公に、音楽にたとえて香水作りをレクチャーします。
−香水と音楽はよく似ている。香水にも和音がある。
−香水は、選ばれた4つの香料(音符)がハーモニーを奏でる。
−また3つの和音からなる。それは、頭(ヘッド)、心(ハート)、土台(ベース)。
−頭(ヘッド)は第一印象。香りは数分。
−心(ハート)は主題。数時間は持続する。
−土台(ベース)は数日ほのかな香りが漂う。残り香だ。
−香水を作るには12種類の香料が必要となる。
作曲家は、様々な個性をもつ音を抽出し、それらを組み合わせ、時間のなかに配置することでひとつの音楽を作り上げます。
香水もまた、プロローグからエピローグまで、調香師によって香りの変化を設計され、作られているのですね。
このシーンで、私は『アマデウス』という映画を想い起こしました。
主人公が天才音楽家モーツアルトに、調香師が才能のない音楽家サリエリに重なります。
香水が音楽であるならば、作曲と同じく、優れた香水作りには、香りの知識・経験だけではなく、香りに対する鋭い感受性、そして何より魅惑的な、斬新な香りをイメージする力、豊かな創造力が必要です。
知識はあっても香りの感受性が衰え、想像力が枯渇した調香師。
これを、私的には“世界で一番立派な鼻をもつ名優”ダスティン・ホフマンが演じているところが可笑しくもあり、何やら物悲しい旋律−香り−が聞こえてくるシーンとして強く印象に残っています。



