嗅覚のサイエンス その2 プルースト効果

2010年8月27日金曜日 10:21

 

プルースト効果

 香り、臭いによって、突然、遠い昔の記憶が蘇る。

このような現象は『プルースト効果』と呼ばれています。

『プルースト効果』は、フランスの作家マルセル・プルースト(1871〜1922年)の代表作
『失われた時を求めて』から名づけられたそうです。
『失われた時を求めて』は作家の自伝的な要素が強い物語。主人公の「私」は、紅茶に浸したマドレーヌを口にした途端、
幼い頃の記憶が呼び覚まされ、それをきっかけに物語が始まります。

先日の『サイエンスzero』で、嗅覚と記憶についての興味深い実験結果を知りました。

視覚による記憶に比べ、嗅覚の記憶は、長期間忘れにくい、というものです。
嗅覚の記憶は、長い間、私たちの頭のなかに留まっている。そのため、特定の香りを嗅いだ時、
「あ、この香りは昔どこかで・・・」と、嗅覚の記憶が引き出され、
その香りとセットになった情景、その時の心情(楽しかった、辛かった)など、
記憶の底に沈んでいた諸々が芋づる式?に出てくるのかもしれません。

『サイエンスzero』では、嗅覚の記憶の検査が紹介されました。

アメリカで行われた検査なのですが、1種類の香りを嗅いで、その香りが何であるか4つの候補から選ぶ。
これを14種類の香りで試すというものです。

検査に使われた香りは「芝生」「パイナップル」「エンジンオイル」など、アメリカ人が日常的によく接している香り。
日本人であれば、「桜」「ミカン」「蚊取り線香」などが使われるのでしょうか? 

この検査では、正解率が低いグループの方が、アルツハイマー病の発症リスクが高いという結果が出たそうです。
今後、アルツハイマー病の早期発見、予防に、このような嗅覚の検査が役立つようになるかもしれません。

近年の研究で、眼には見えない香りの謎が徐々に解き明かされているようです。
研究の成果によって、香りが人々の歓びや健康に活かされる様になれば本当に素晴らしいな、と思います。

 

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嗅覚のサイエンス その1 トムとジェリー

2010年8月11日水曜日 08:40

トムとジェリー

NHKの番組『サイエンスzero』。
先週は「嗅覚」がテーマでした。
テレビの画面には、ありそうで絶対ありえない映像が・・・・
猫の顔にふれるほど、猫に平然と近づく鼠、
猫にちょっかいを出す鼠の姿です!

これはもう、有名なアニメ『トムとジェリー』のジェリー。

天敵を天敵として認識する、恐れる、という感覚は、嗅覚が大きく作用するのだそうです。
最近の研究で、動物の脳内には、生存に必要な臭いを感知する回路が、先天的に予め組み込まれていることが分かってきました。
この嗅覚(臭いを感知する脳)のおかげで、生まれて直ぐ、眼が空いていない状態でも、食べられる物と食べられない物を区別することができます。
生まれてから一度も狐に出会ったことがない鼠でも、狐の臭いを嗅いだら逃げる!という適切な行動が取れるわけです。

上記のジェリー鼠は、実験で先天的な嗅覚が取り除かれた鼠でした。

猫と鼠が寄り添う姿は平和的でほほえましいものですが、猫の方は鼠を臭いで「こいつ、食べ物」と認識しているのですから、危ない、危ない。
嗅覚は、動物(人を含めた)が生きる上で、最も基本的で大切な感覚なのだと、改めて思い知らされました。

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タイムスクープハンター 香時計

2010年6月20日日曜日 01:32

『タイムスクープハンター』 は、NHKの“ドキュメンタリー風”歴史番組です。

ドキュメンタリー風、というのは現代(未来?)の取材記者(タイムハンター)が過去にタイムスリップして、

様々な人物たちの営みを密着リポートする趣向。

取材対象が、著名な事件や武士・大名などではなく、歴史の表舞台に出てこない人々であるところが新鮮ですし、過去の人々の肉声を聞けるようで面白いのです。

番組は好評らしく第2シリーズまで放送されています。

5月17日に放送された「われら時の番人」 は、お香に関わる内容でもあり、特に興味深く観ました。

【今回の取材対象は、時を告げる“時太鼓打(ときたいこうち)”。

1807年4月21日、下総国。当時は、太鼓をたたいて、音によって時刻を人々に知らせていた。江戸時代は現代の定時法ではなく、不定時法であった。夜明けと日暮れを起点に昼・夜ともに6分割するもので、お香の燃え方で時間を計る「香時計」が用いられた。ある城の時太鼓打は3人の交代制だったが、その1人が夜盲症でリストラの危機にあった。どのように仲間を救ったのか“時の番人”の活動をリポート。】

香時計というのは、お香の燃えた長さによって時の経過時間を計る時計です。

敷き詰めた灰の上に型枠で溝をつけ、そこに抹香を注ぎ、抹香の端から火をつけます。

番組では、香の溝の途中途中に「辰」「巳」「寅」などの文字が記された小さな木の札が立てられていました。ここまで燃え進んだら「辰の刻」と、分かりやすくしていたのです。当時は不定時法でしたので、季節によって香全体の長さを変え、一刻の時間を調整していました。

江戸時代末期には不定時法に対応した機械式時計も普及しはじめ、財政の豊かな藩では香時計に変わり機械式時計が取り入れられるようになりました。仲間が夜盲症になったことを知った下総国の時太鼓打ち達は、何とか高価な機械式時計を手に入れようと奔走します。

なぜなら、香時計は上記のように眼で確認しなければ時を計ることができないのに対し、機械式時計は定時になると鐘を鳴らして知らせてくれたからです。

財政が逼迫している藩に機械式時計の導入を断られた時太鼓打ち達は、私財を投じて道具屋から機械式時計を買ってきます。

しかし、その時計は途中で止まってしまう不良品であった、というトホホな展開でした。

もはや、これまでと諦めたとき、夜盲症の仲間を様子を見ていた時太鼓打ちが妙案を思いつきました。

夜に眼が見えなくなっても時を知る方法。香時計の香を活かして時を知らせる方法です。

香時計の抹香に変えて、数種類の香りの異なるお香を時刻の区分ごとに敷き詰め、香りの違いで時が分かるようにしたのです。

この内容が実話に基づいたものかどうかは分からないのですが、いい話だなー、とテレビの前で思わずつぶやいてしまいました。

時太鼓打ち達の友情に心が温かくなりました。

↓ 写真は香時計。抹香を敷き詰める作業です。

 香時計1

香時計2

NHK【タイムスクープハンター TSH】サイト

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薬研堀探訪 −その3 大木唐からし店

2010年6月6日日曜日 09:41

七味唐辛子(しちみとうがらし)を、東京では「なないろとうがらし」または

「やげんぼり」と呼ぶことがあります。

 薬研堀(やげんぼり)は、七味唐辛子の発祥の地であり、その代名詞にもなっているのです。

七味唐辛子は、、寛永2年(1625年)、からしや徳右衛門 でという人物が、薬研堀(やげんぼり)で漢方薬の配合をヒントに薬味をブレンドして売り出したのが始まりとされています。

からしや徳右衛門の店は後に浅草に移転し、現在も浅草で『やげん掘 七味唐辛子本舗』として盛業されています。

七味唐辛子の発祥の地で、江戸時代から営業されているお店もあります。

大人の背丈ほどもある大きな赤トウガラシの看板が目印の『大木唐からし店』。

七味唐辛子の材料は、赤唐辛子(乾燥)、赤唐辛子(焙煎)、黒胡麻、粉山椒、陳皮、芥子の実、麻の実。

「大辛」「中辛」などの商品を選べるほか、お願いすれば希望の配合の七味を作っていただけるそうです。

江戸の味を今に使える老舗です。

大木唐からし店1

大木唐からし店

大木唐からし店3

 

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薬研堀探訪 その2−やげん堀不動尊

2010年5月30日日曜日 06:01

 薬研堀不動院1

薬研堀不動院2

日本橋中学校に程近い、やげん堀不動尊(薬研堀不動院)を訪ねました。

やげん掘不動尊は川崎大師の東京別院。

紀州の根来寺に安置されていた不動明王の御尊体がこの地に移され、1585年(天正13)に創立されたとのこと。

江戸時代には目黒・目白とともに江戸の三大不動のひとつに数えられていました。

年末に開催される歳の市は大変にぎわうのだそうです。

薬研堀不動院3

寺院の庭には、「講談発祥の碑」、「順天堂発祥の碑」が立てられています。

「講談発祥の碑」には、このような碑文が刻まれています。

【元禄の頃、 赤松清左衛門という人が浅草で太平記を講じ、 江戸講釈の発祥となった。安政年間に「太平記講釈場の碑」が建てられ大正12年の関東大震災まで名物となっていた。昭和59年に 新たに薬研堀不動院に碑を建てた。】

順天堂とは現在の順天堂大学・病院。

天保9年(1838年)、薬研堀にて佐藤泰然が「和田塾」という蘭方医学塾を創設。この塾が佐倉に移転され「順天堂」と改名。さらに湯島本郷に移転され、現在の順天堂大学となったそうです。

この界隈は医者や薬屋が集まる地でもあったことから、医学塾が置かれたのも、この地の特性によるものかもれしません。

 講談発祥の碑

順天堂の碑

探訪その3に続きます。

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  • 広松(ひろまつ)

    広松(ひろまつ)

    老舗の香屋「白猫堂」 (しろねこどう)で香屋見習いをしている。お香と店に愛着をもっているが、何事も少々(かなり?)憶えが悪い。

  • ご主人

    ご主人

    香屋「白猫堂」の店主。博識で200年以上生きているという噂もある。オートバイ、自転車をこよなく愛するスポーツマンでもある。

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    奥さん

    香屋「白猫堂」主人に寄り添う美人。朗らかで周囲を和ませる。時に主人より手厳しい面も。いざとなったらやるタイプ。

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